介護のちから ~第18回~ 円安と介護の関係
はじめに
こんにちは毎週お届けするコラムを担当する清水です。
今回は「円安と介護の関係」というテーマに沿って話をしてみたいと思います。
円安と介護の関係
今回は前回お話した介護の給料はどのような仕組みなのか?に引き続き今回も皆様のお財布に関係する「円安と介護の関係」というテーマでお話してゆきたいと思います。
さて、今回は今とてつもない勢いで進行している円安についてのお話です。
日本で暮らしていて影響がないと思われている方も多いと思います。ですが、円の価値が安く、ドルの価格が高いという状況から、わかりやすく説明すると、100万円を持っていた場合には100万円ですが、もしもドルで持っていた場合には日本円に換算した時に一時130万円になっていたという話になります。
そこで、前回は介護の仕事を時給で換算してみて、「安い給料」とまでは言えない状況だったことがありました。平均的な給料水準には届きませんが「生活ができないほど安い」という所までは至らなかったことから、コラムのアクセスも増加していただいたといった形でした。(笑)コラムを読んでいただいた皆様、誠にありがとうございました。
そこで、今回は、円安は介護にどのような影響を与えるのでしょうか?
いきなり難しそうな話になってきましたが、まずは介護施設の家賃はどうでしょうか?
現在家賃は20万円と仮定した場合、据え置きにはならなそうですよね。
要因は、木材が必ず使われるので、ロシアの問題で木材の高騰。次に鉄や銅などの輸入もアジア圏内で行われる場合、価格高騰が続くなど、背景にはコロナの影響もあります。その中で、今回の価格高騰の要因は対ドルであることから確実に相関関係があることは言うまでもありません。
そして、今後加速してゆく円安に連れて介護施設の建設費が上がり続けると、収益を得るために賃料も高騰することは避けられません。その中での超高齢化社会で三人に一人が高齢者となる時代に突入します。今まで頑張ってきてくれた方々に、もう一度奮起して頑張ってもらうか、若者の力でITを駆使して介護現場の少人数で支えられる生産性の高いシステムを構築するかという目下解決方法はそのようなところかと考えます。
在宅生活においても輸入食材が多い日本では、食料自給率が低く、食費も高騰し、大きな変化が今後見込まれることでしょう。在宅生活での介護は自分たちで食事も賄いながら生活しなければなりません。そうした中で給料水準も変わらぬまま生活を続けてゆくことはますます困難を強いられることになる事も予測されます。
ですが、介護のお客様は今後確実に増加しますので、益々、多様化してゆき、関わる方々が国内外に増え、制度もコロコロ変わり、グローバル化されて、あり方自体が見直され続けるのだと感じております。
今後円安が進むと、アメリカに介護で出稼ぎに行く日本の方が出現するなどといった、日本の介護技術が世界の「KAIGO」に変わる日も来るかもしれませんね。
今回は【円安と介護の関係】というテーマでコラムを書かせていただきました。
それではまた来週お会いしましょう。
プロフィール
清水勇耶(しみず・ゆうや)
ケアマネジャー。株式会社ワンダフルライフ代表取締役。みんなでケア開発者。
一人よりも二人より多くの方々の幸せのためにという法人理念の基、関わる皆様に介護業界がより良くなるようなご提案のできる仕事を心がけている。また、福利厚生としてLVMHグループの介護福利厚生、介護ロボットの活用、その他介護支援専門員問の研修・セミナーなども行っているなど、幅広い分野で活躍中。主な取得資格等:介護福祉士、介護支援専門員、社会福祉主事、厚生労働省IOTロボット評議員、同省介護ロボット講師、AI・IOTシニアコンサルタント、ビジネスモデル検定1級、運行管理者