介護のちから~第10回~コミュニケーションの意識②
こんにちは毎週お届けするコラムを担当する清水です。
今回は「コミュニケーションの意識②」について触れてみたいと思います。
はじめに
皆様こんにちは。今回のテーマは「コミュニケーションの意識②」について、先週に引き続き、少し考察を兼ねて触れてゆきたいと思います。
さて、前回のコラムではコミュニケーションには両面掲示と片面掲示があるとお話をさせていただきました。今回は説得力というテーマに沿ってお話ができればと思っております。
今回は人を「説得する場合」について、どのようなことがあるのかについて、一緒に少しだけ学んでゆければと思います。今回はコミュニケーション編として、2回目となります。意識に役立つポイント情報となりましたら幸いです。
②強い説得力
さて、早速ですが、説得力があると思えるプレゼンや話にはある程度の裏付けがあることを皆様はご存じでしたでしょうか?それは当然でしょう、と思われたと思います。
ですが今回は、説得力のある主張は強い恐怖を感じさせるよりも弱い恐怖のほうが、説得力を持つという話について、少し角度をかえた視点から考えてゆければと思います。
有名な実験で昔からよく使われている技法でジェニス(Janis,I.L)とフィッシュバック(Feshback,S.)という方が実践をした技法だそうなのですが、口腔衛生に対する説得を試みて、歯の手入れをしないと「癌などになるリスク」を説いた場合と歯の手入れをしないと「虫歯になる」という説明をおこないました。
皆様は、効果はどうだったと思いますか?
1週間後に効果があったのは、弱い恐怖の刺激を受けた「虫歯になる」という説明を受けた方々でした。
これは、強すぎる刺激は人間の防衛反応を過剰に刺激し、意図した送り手の主張を受け入れ難くしてしまうそうです。強い恐怖の方が説得力を感じられそうですが、実際のところは刺激が強いことは、人に抵抗を感じさせてしまう事はもってのほか。あまりに「事」が大きすぎると、恐怖性は受け入れられないのかもしれません。
私もそのように思うことに同調してしまうのですが、当時、“ノストラダムスの大予言”というものが世の中の流行になった時、1999年7月に人類滅亡という大変な恐怖が起こる事が予言されていました。本来であれば、多くの方々が恐れおののく事なのに、いざ、1999年7月は恐怖など微塵も感じずに、当時中学生であった私は、何も気に留めることなく楽しく充実した日々を過ごしていた記憶が蘇りました。
極端でしたが、1999年7の月に虫歯になるといった予言であれば気をつけていたのかもしれないですね。少しコミュニケーションの話からは反れてしまいましたが、話を戻しますと、弱い刺激を持つプレゼンや話の方が説得力もあるとの事なので、もし他人に対して注意をする時には、良い方向に進んでもらうためのアドバイスとして、強い恐怖よりも弱い恐怖の刺激を用いて注意を促す方が良いのかもしれませんね。つまり、何事もバランスが大切ということなのです。
「今回はコミュニケーションの意識②」について話をさせていただきました。次はいよいよ最終章です。次回も皆様の少しでもためになるような情報提供ができればと幸いと感じております。
(清水勇耶)
プロフィール
清水勇耶(しみず・ゆうや)
ケアマネジャー。株式会社ワンダフルライフ代表取締役。みんなでケア開発者。
一人よりも二人より多くの方々の幸せのためにという法人理念の基、関わる皆様に介護業界がより良くなるようなご提案のできる仕事を心がけている。また、福利厚生としてLVMHグループの介護福利厚生、介護ロボットの活用、その他介護支援専門員問の研修・セミナーなども行っているなど、幅広い分野で活躍中。主な取得資格等:介護福祉士、介護支援専門員、社会福祉主事、厚生労働省IOTロボット評議員、同省介護ロボット講師、AI・IOTシニアコンサルタント、ビジネスモデル検定1級、運行管理者