介護のちから~第14回~介護とお金
はじめに
こんにちは! 毎週お届けするコラムを担当する清水です。
皆さまも興味深いであろう「介護とお金」という題材に沿って話をしてみたいと思います。
今回は「介護とお金」というテーマのお話をさせて頂きますね。
では、始めていきましょう。
介護とお金
「お金」の概念は時代の移り変わりとともに変化していると思います。その時代の技術を表すもの?でもあるでしょう。
さて、介護はどうなのでしょうか? どの時代にも必要だったとは思いますが、形は変わっているのでしょうか? 実態は、介護も時代の流れにそって形が変わってきたのだと思います。そもそも介護保険制度ができることはお金が石の時代には考えられなかったことと思います。
介護の起源は、元々は自分たちの家庭内の事はそれぞれの家庭内で解決していくことが当たり前とされていました。“介護”という言葉が使われたのも、つい最近の事だと理解しています。
ここで、本テーマの「介護とお金」について、いつから介護に経済が関わる事となったのでしょうか? 密接なかかわりが増えたのは、2000年の介護保険制度が始まったころからだと推測します。
それまでフォーカスされていなかった介護の問題にも徐々に注目を集めてゆき、当初、介護保険に対して、仕事をする側は経済的な価値を潜在的利益享受するものと捉えていなかったのだと思います。その後、2009年に発生した「介護報酬不正請求事件」がお金に関わる重要なポイントであったと感じます。
それまでは、“介護”というキーワードを聞いても“お金”というワードは到底思いつかなかったと思います。そこで、当時の事件が発生した時に実態を知る方々は、500億の売上だとか「介護ってこんなにお金が儲かるの?」と思ってしまうのも事実としてあったのだと思います。
実際にあった事件ではありますが、このインパクトは社会にとっての影響が多大であった事に相違はないと思います。
現代の介護問題の中では、様々なリソースが足りず、現実的に困っている高齢者の方々が多いことは明白で、実態は、不正請求をする暇などないと思います。超高齢化社会において「忙しい」が日常会話の一つとなっています。
そこで、介護報酬を得る事業主体は、従業員に対して金銭的なメリットを与えられていなかったことも徐々に明らかになり、介護の業界に「お金」の問題が入ってきたことと思います。これは、事業主体は介護保険制で継続的に経営をすることに対して、計画上実施していることが殆どである事という理由から、長期計画ありきの考え方の浸透が理由として挙げられ、地方公務員をベースとした考え方が介護施設などで定着したのだと考えます。
そこに「介護の仕事は大変」、「介護の仕事は給料が安い」と誰でも聞くような話になったのかもしれません。現代は、ユーチューブの等の影響により、個人の時代と言われているらしく、個々の考え方で「仕事として、介護とお金の考え方」も変化していると思います。
介護という実態ではなく、介護をライフサイクルの一つとして捉え、例えばユーチューブの広告収入で生活する等も考えられるような時代です。私自身も、介護の仕事はいつも「困った時はお互いさま」という精神を忘れずに意識をして仕事を行いたいので、お金とは切り離して考えられるように個々の方々と向き合っています。
トヨタ自動車でさえも生涯継続雇用が難しいと言われている現代では、収入を介護だけに頼る時代も淘汰されるかもしれないという事も、一つ考え方のシグナルとされているのかもしれません。
今回は、「介護とお金」というテーマで少しだけですが、コラムを書かせていただきました。介護とお金の話についてはまた、後々に再度触れさせていただきたいと思っております。
普段、本コラムはおおよそ1000文字位を意識して書いているのですが、今回は皆様も興味があるお金に触れたので1500文字程になりました。いつもよりも多くの時間をかけて興味を持って読んでくださり感謝申し上げます。
それではまた来週お会いしましょう!
(清水勇耶)
プロフィール
清水勇耶(しみず・ゆうや)
ケアマネジャー。株式会社ワンダフルライフ代表取締役。みんなでケア開発者。
一人よりも二人より多くの方々の幸せのためにという法人理念の基、関わる皆様に介護業界がより良くなるようなご提案のできる仕事を心がけている。また、福利厚生としてLVMHグループの介護福利厚生、介護ロボットの活用、その他介護支援専門員問の研修・セミナーなども行っているなど、幅広い分野で活躍中。主な取得資格等:介護福祉士、介護支援専門員、社会福祉主事、厚生労働省IOTロボット評議員、同省介護ロボット講師、AI・IOTシニアコンサルタント、ビジネスモデル検定1級、運行管理者