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介護のちから

介護のちから ~第7回~福祉の仕事と一般の仕事の違い

介護のちから 2022.02.22
介護のちから ~第7回~福祉の仕事と一般の仕事の違い

    こんにちは。コラム『介護のちから』を毎週お届けしている清水です。

    今回は、福祉の仕事と一般の仕事の違いについてお伝えします。

     

    公共財としての福祉の仕事

    「福祉の仕事と一般の仕事の違い」と聞いて、皆さんは何か違いは思い当たりますか?例えば、福祉の仕事には優しい人が多い。とか、女性が多いとか、大変な仕事など色々あると思います。

    そのような違いもさることながら、福祉の仕事には「許可」「認可」「指定」という行政上の言葉が多く使われることも一般の仕事との大きな違いなのではないかと思います。「許可」や「認可」については,建設「許可」とか「認可」保育園といったような言葉で耳にしたことがあっても、「指定」となるとなかなか耳慣れない方が多いのではないでしょうか。

    例えば、飲食店でラーメン屋さんを開業して、行政からの「指定」があったら、なんだかそこのラーメン屋さんに行かなければならない気がしてしまいますよね(もちろんラーメン屋さんも飲食店さんですから、食品衛生責任者さんをお店ごとに配置して、営業「許可」は取得されています。)。

    さて、介護・障害・児童などの福祉の仕事をするためには「指定」申請をしなければなりません。これは福祉の仕事には一部公的な資金が投入されていること、即ち福祉の仕事は皆さんの税金で成り立っていることに起因します。介護保険を例に挙げますと、介護保険の財源は国と都道府県と市町村と利用者、納付義務者等で賄われています。

    この点が一般の仕事と大きな違い、医療保険制度と類似するところとなるのですが、介護サービスや障害サービスを受ける利用者さんは1~3割程度の負担割合があるものの、サービスにかかる費用の多くは国や自治体が負担する仕組みとなっています。

    このように、医療や介護など分野は、日本国民の公共財として国民が等しく負担して等しく享受するという仕組みが採られています。

    もうお分かりかと思いますが、このような仕組みは「保険」と呼ばれ、実際にも「国民健康保険」や「介護保険」というように呼ばれています。

    「保険」の運営者たる国や自治体が、保険サービスを提供する事業所を「指定」することで、安心安全快適な福祉サービスを全国の皆さんに平等に行き渡らせることができる仕組みとなっているということですね。

    医療や福祉に携わる方々は、このような公共財の一翼を担う存在としての自覚があるからこそ、使命感と責任を以て仕事をされている方々・向上心がある方々が多いのだと私個人は思っています。私はそのような方々に出会う度にいつも関心をさせられるとともに、心から応援しております。

     

    今回は少し税金の使い道にも関わるようなお話になってしまいましたが「介護の仕事と一般の仕事の違い」について簡単にまとめさせていただきました。

    今後も少しでも皆様のお役に立てるような情報発信に努めていければと考えております。

    余談

    さて、私はラーメンはもはや国民食と思っており、国家の文化財として保護しなければならないと考えております。そして国民は等しく平等にいつでもどこでもおいしいラーメンをすすることができる社会が理想の社会であると。

    1杯700円のラーメンのお代の9割を国が負担して、全国民は70円でラーメンを食べることができる社会になったら・・・・毎日ラーメン屋巡りをしそうなのは私だけでしょうか?

     

    プロフィール

    清水勇耶(しみず・ゆうや)

    ケアマネジャー。株式会社ワンダフルライフ代表取締役。みんなでケア開発者。

    一人よりも二人より多くの方々の幸せのためにという法人理念の基、関わる皆様に介護業界がより良くなるようなご提案のできる仕事を心がけている。また、福利厚生としてLVMHグループの介護福利厚生、介護ロボットの活用、その他介護支援専門員問の研修・セミナーなども行っているなど、幅広い分野で活躍中。主な取得資格等:介護福祉士、介護支援専門員、社会福祉主事、厚生労働省IOTロボット評議員、同省介護ロボット講師、AI・IOTシニアコンサルタント、ビジネスモデル検定1級、運行管理者