事前審査登録
ログイン

介護のちから

介護のちから ~第8回~知らないことを知らないと聞く勇気

介護のちから ~第8回~知らないことを知らないと聞く勇気

    こんにちは毎週お届けするコラム『介護の力』を担当する清水です。

    皆さんは日常的に「知らない」ということを素直に聞くことはできていますか?今回は『論語と算盤』に書かれている内容をご紹介しつつ、私の考える「知らない事を知らないと聞く勇気」についてお話してみたいと思います。

     

    『論語と算盤』からみる知らないことを聞く大切さ

    『論語と算盤』を著したのは、言わずと知れた渋沢栄一です。渋沢栄一といえば大河ドラマでも取り上げられましたし、もちろん「次のお札の顔となる方」ですね。なので、渋沢栄一の書籍を読まれている方も多いのではないかと思います。

    渋沢栄一は、経済的利益と社会的道徳を調和させることを説き続けた人物としても有名です。『論語と算盤』の中には、論語を引きつつ「子曰く、由、汝にこれを知るを誨えんか。これを知るをこれを知るとなし、知らざるを知らずとなす。これ知れるなり。」という一文が出てきます。

    これは、「物事を知った人は自分の知らないことでも知った『ふり』をしてしまうことがあり、これは恥ずかしいことである」ということを説いているものです。

    私としては、「物事を少し分かっただけで、その物事の全てを知っているという態度をとってはいけません。」というように解釈しております。

    仕事の場面に置き換えてみると、仕事で何かを調べる機会を得て、それについて一生懸命勉強をして、他の人よりは少し知識を得たとしても、その程度の勉強で知り得た知識は、膨大な知識の氷山の一角でしかなく、この先いくら勉強を進めていったとしても当然に知らないことは出て来ます。その時、「知っていることは知っている。知らないことは知らない」ときちんと言える人間。そのような態度を当然に取れるようになってはじめて、人から認められるようになるのだと思っています。

    そして、知らないことを「知らないと言える勇気」と、素直に「教えてくださいと聞く勇気」を持つことは、人生にプラスの効果をもたらしてくれるものと思います。

    介護・福祉業界にも新たな試みや新分野も増えており、必要とされる知識もどんどん増え、日々更新され続けています。

    なので、知らないことが多いのは当然で、知らないことを尋ねて教えてもらうことは全く恥ずかしいことではありません。

    もちろん調べることも大事です。しかし、調べることと同じくらい「知らないことを聞く勇気も大事」と考えています。

     

    今回は「知らない事を知らないと聞く勇気」というテーマでした。毎週お届けするコラムでは、少しでも皆様の為になるようなお話を発信できればと思い、毎週発信を続けさせて頂いております。これからも是非読んでいただけるととても嬉しいですし、励みになります。

    (清水勇耶)

     

    プロフィール

    清水勇耶(しみず・ゆうや)

    ケアマネジャー。株式会社ワンダフルライフ代表取締役。みんなでケア開発者。

    一人よりも二人より多くの方々の幸せのためにという法人理念の基、関わる皆様に介護業界がより良くなるようなご提案のできる仕事を心がけている。また、福利厚生としてLVMHグループの介護福利厚生、介護ロボットの活用、その他介護支援専門員問の研修・セミナーなども行っているなど、幅広い分野で活躍中。主な取得資格等:介護福祉士、介護支援専門員、社会福祉主事、厚生労働省IOTロボット評議員、同省介護ロボット講師、AI・IOTシニアコンサルタント、ビジネスモデル検定1級、運行管理者